【労働衛生一般|問①】肺胞のガス交換を完全に理解する|図解・過去問20問つき

■ 1【問①はこんな問題です】

労働衛生一般の問①は、毎年ほぼ必ず 「呼吸生理(肺胞・ガス交換)」 から出題されます。
まずは実際の試験形式に近い4択問題を見てみましょう。

Q:肺胞で行われるガス交換について正しいものはどれか?

1. 酸素は肺胞から体外へ排出される
2. 二酸化炭素は血液から肺胞へ移動する
3. 酸素は白血球によって運ばれる
4. ガス交換は気管で行われる

【正解】2
【理由】CO₂は血液側の分圧が高いため、肺胞へ移動して呼気として排出される。


■ 2【この問題を理解するために学ぶこと】

  • 肺胞の構造と役割
  • 酸素(O₂)と二酸化炭素(CO₂)の移動方向
  • ガス交換が起こる理由(分圧差・拡散)
  • 分時換気量と一回換気量
  • ガス交換が低下する要因(肺胞破壊・線維化・肺水腫・酸欠など)

■ 3【図解(テキスト図解)】

┌────────────────────┐
│ 肺胞(空気の袋)             │
│                     │
│ O₂(酸素) → 血液へ          │
│ CO₂(二酸化炭素) ← 血液       │
└────────────────────┘

血液側:
・酸素:赤血球のヘモグロビンと結合して全身へ運ばれる
・二酸化炭素:血液から肺胞へ移動し、呼気として排出される

■ 4【本文:専門的だけどやさしい解説】

● 肺胞とは何か

肺胞は肺の末端にある「小さな空気の袋」で、
ガス交換(外呼吸)が唯一行われる場所 です。

気管・気管支は空気の通り道であり、ガス交換は行いません。


● 酸素と二酸化炭素の移動方向

  • 酸素(O₂):肺胞 → 血液
  • 二酸化炭素(CO₂):血液 → 肺胞

これは 分圧差(濃度差) によって自然に起こる現象です。


● 分時換気量とは

呼吸の効率を示す基本指標。

分時換気量 = 一回換気量 × 呼吸数

例:
0.5L × 12回/分 = 6L/分


● ガス交換が低下する原因

  • 肺胞の表面積が減る(COPD・肺気腫)
  • 肺胞膜が厚くなる(線維化・間質性肺炎)
  • 肺胞内に水がたまる(肺水腫)
  • 酸素分圧が低い環境(高地・酸欠)

これらはすべて ガス交換距離の増加・表面積の減少・分圧差の低下 によって説明できます。


● 試験委員が問いたいポイント

  • 肺胞がガス交換の場であること
  • 酸素とCO₂の方向を逆にしないこと
  • 分時換気量の基本式
  • ガス交換障害の典型パターン

■ 5【覚え方(タック式語呂合わせ)】

● 酸素は「お客さん」

入口(肺胞) → 店内(血液)へ入る

● CO₂は「帰る人」

店内(血液) → 出口(肺胞)へ向かう

● ガス交換は「肺胞だけ」

気管・気管支は“廊下”、肺胞は“部屋”


■ 6【試験での問われ方パターン】

  • 酸素とCO₂の移動方向
  • ガス交換が行われる場所
  • 分時換気量の計算
  • ガス交換が低下する原因
  • 肺胞と毛細血管の構造

■ 7【過去問20問+解説(タック版オリジナル)】


▼過去問1

Q:ガス交換が行われる場所はどこか?
→ 正解:肺胞
解説: 気管・気管支は通り道であり、ガス交換は肺胞のみ。


▼過去問2

Q:酸素の移動方向として正しいものはどれか?
→ 正解:肺胞 → 血液
解説: 肺胞内の酸素分圧が高い。


▼過去問3

Q:CO₂の移動方向として正しいものはどれか?
→ 正解:血液 → 肺胞
解説: 血液側のCO₂分圧が高い。


▼過去問4

Q:分時換気量の計算式として正しいものはどれか?
→ 正解:一回換気量 × 呼吸数


▼過去問5

Q:ガス交換が低下する原因として不適切なものはどれか?
→ 正解:気管の軽度炎症


▼過去問6

Q:肺胞の表面積が減少するとどうなるか?
→ 正解:ガス交換能力が低下する


▼過去問7

Q:酸欠環境で起こる現象として正しいものはどれか?
→ 正解:酸素分圧の低下


▼過去問8

Q:肺胞の構造として正しいものはどれか?
→ 正解:毛細血管が密着している


▼過去問9

Q:CO₂の排出が低下するとどうなるか?
→ 正解:呼吸性アシドーシス


▼過去問10

Q:喫煙が肺胞に与える影響として正しいものはどれか?
→ 正解:肺胞壁の破壊


▼過去問11

Q:肺胞でのガス交換を促進する条件はどれか?
→ 正解:肺胞表面積の増加


▼過去問12

Q:肺水腫でガス交換が低下する理由はどれか?
→ 正解:肺胞内に水がたまり拡散距離が増える


▼過去問13

Q:ガス交換に最も直接関係する要因はどれか?
→ 正解:分圧差


▼過去問14

Q:肺胞壁の線維化が進行するとどうなるか?
→ 正解:ガス交換距離が長くなる


▼過去問15

Q:ガス交換が正常に行われる条件はどれか?
→ 正解:肺胞と毛細血管の距離が短い


▼過去問16

Q:過換気が続くとCO₂はどうなるか?
→ 正解:排出が増え、血中CO₂が低下する


▼過去問17

Q:肺気腫でガス交換が低下する理由はどれか?
→ 正解:肺胞壁の破壊による表面積の減少


▼過去問18

Q:高地でガス交換が低下する理由はどれか?
→ 正解:吸入酸素分圧の低下


▼過去問19

Q:肺炎でガス交換が低下する主因はどれか?
→ 正解:肺胞内の分泌物増加


▼過去問20

Q:肺胞でのガス交換が低下する状態として最も適切なものはどれか?
→ 正解:肺胞膜が厚くなる


■ 8【ワンポイントアドバイス】

  • 「ガス交換=肺胞」をまず固定
  • 酸素とCO₂の方向を逆にしない
  • 分時換気量の式はそのまま暗記
  • ガス交換低下の原因は「表面積↓・距離↑・膜厚↑・分泌物↑・酸素分圧↓」で一括暗記

■ 9【まとめ】

  • 肺胞はガス交換の唯一の場
  • 酸素は肺胞→血液、CO₂は血液→肺胞
  • 分時換気量=一回換気量 × 呼吸数
  • 肺胞の破壊・線維化・肺水腫・酸欠はガス交換を低下させる

次回(問②)は
「心拍出量と血圧の関係」 をわかりやすく解説します。


■ 10【参考資料(エビデンス)】

以下は、この記事の内容を裏付けるための 公的・医学的に信頼できる一次資料 です。

  • 厚生労働省「労働衛生のしおり」
  • 厚生労働省「酸素欠乏症等防止規則」
  • MSDマニュアル(プロフェッショナル版)呼吸生理
  • 国立がん研究センター 呼吸器の基礎
  • 医学書院「標準生理学」
  • Robbins Basic Pathology(肺胞構造・肺気腫・線維症)

※内容はこれらの基礎知識と整合性を確認済み。

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